タイトル
エンジニアのための時間管理術
著者
Thomas A. Limoncelli (著), 株式会社クイープ (翻訳)
出版社
オライリー・ジャパン
Amazonで購入する

本書は【システム管理者】向けの時間・タスク・スケジュール管理のテクニックを説明した書籍です。タイトルにはエンジニアと書いてあるのに本文ではシステム管理者と説明されていて、ちょっと混乱するかもしれません。

今までタイムマネージメント本と違うところは、システム管理者のためだけに書かれているという点です。本書の各章でシステム管理者特有の問題がまとめられていて、システム管理者のライフサイクルをどのように変化させればよいかという点について書かれています。

以下が本書の目次です。

  • タイムマネージメントの原則
  • 集中と割り込み
  • ルーチン
  • サイクルシステム
  • サイクルシステム:作業リストとスケジュール
  • サイクルシステム:カレンダーの管理
  • サイクルシステム:人生の目標
  • 優先順位
  • ストレスの管理
  • 電子メールの管理
  • 時間の浪費
  • 文章化
  • 自動化

本書の対象読者は、いつも時間に追われているシステム管理者、タスクリスト(TODOリスト)をうまく使いたいエンジニアです。テクニック本なので気軽に読み進めて、簡単なものから真似していくのがよいと思います。

特徴

システム管理者のタイムマネジメントの原則

本書は、システム管理者の時間管理に関して書かれています。他の職種、例えば営業職や販売職や事務職、とは違ったシステム管理者特有の問題に関しての HowTo 本です。本書で紹介されている手法は次の6つの原則に基づいています。

  1. 時間に関する情報をひとつにまとめる
  2. 自分の頭は重要な作業のために温存する(どうでもよいことに頭を使わない)
  3. 日課(ルーチン)を決める(日常的な作業を日課にする)
  4. 習慣やモットーを養う(決まりきったプロセスを大事にし、頭を使わない)
  5. 日常生活も仕事も同じツールを使用する

時間管理が必要な理由は、もっと重要な作業に頭と時間を使うためです。そのための原則がこれらになるわけです。

格言・名言・行動指針・アドバイス・テクニック

本書は How To 本ですので、いろいろなテクニックが説明されています。格言であったり行動指針として説明されています。例えば、自分の作業机を整理するために次のような行動指針が説明されています。

迷ったときは捨てる

  1. ファイルに閉じれるものは閉じる

  2. 未処理の仕事はすぐに取り掛かれるように準備する

  3. 処理できない仕事・資料は、3ヶ月たっても処理されなかった場合は捨てると決めたボックスに入れる
本書 P.16 「集中しやすい環境」より

他にも仕事をする上での次のようなアドバイスが書かれています。

計測は二度、切断は一度
元に戻せない変更を行うときは注意深く行うこと
ファイルを変更する前にバックアップを取る
変更に失敗したときにすぐに戻せるようにバックアップを取ってお
マニュアルを読む
どうしようもなくなったら、資料を読んでみる
デバッグの変更は一度に一つ
わけがわからなくなるほど壊れる前に、一つずつ手順を踏むこと
常に作業をテストする
ミスしないように注意を向けるためにテストを考える。それでも失敗することはあるが…
顧客がテストするまで完了しない
依頼人、お客さんがO.K.を出すまでは作業は終わらない
どうしてもダメなときは時間を置いてみる
何か別のところでの問題が原因でうまくできないのかもしれない。ネットワークが切断されていたりとか…

システム管理者のための本

本書はシステム管理者のために書かれています。タイトルには「エンジニアのための」と銘打っているのに、中身はシステム管理者向け。僕がエンジニアときくとシステムエンジニアを思い浮かべてしまいます。

なので、本書を見かけたときには、プログラマや SE のための時間管理術が書かれているのかとちょっと期待しました。まあ、とはいえ、システムエンジニアの方にも普通に当てはまることも多く素直に学べる点もたくさん書かれています。

時間管理がうまくいかない人はぜひ読んでみてください。

参考

  • Life Hack (最近の流行)
G-Tools
  • 仕事術
G-Tools