『なぜシリーズ』の第5弾となるオブジェクト指向に関する書籍です。「オブジェクト指向」というキーワードは一時期Buzzwordでした。それは、オブジェクト指向をプログラミングの道具として説明したり、概念だけを説明したり、UMLを使った設計技法のことを指して説明していたりと、知らない人が聞いたら混乱してしまうような説明しかされていなかったためです。
実際には「オブジェクト指向が現実世界をそのままソフトウエアに表現する技術である」という説明は間違いです。
この説明が示すように、オブジェクト指向を本当に理解し、使いこなすには、オブジェクト指向に関する誤解を解く必要があると思います。本書はその手助けをしてくれる、正真正銘、本物のオブジェクト指向入門書です。
オブジェクト指向のキーワードに惑わされて疲れてしまった人、オブジェクト指向って難しそうだから敬遠していた人、オブジェクト指向を理解してみたい人、おすすめの一冊です。
特長
オブジェクト指向の概念
オブジェクト指向を理解するには、まず2つのことを理解しなければなりません。
- オブジェクト指向が現実世界をそのまま映し出すのは間違い
- オブジェクト指向はソフトウェア開発を楽にするためのもの
まずは、オブジェクト指向の間違った理解や誤解を解き放つことから始まります。これまでは、混乱し、間違った理解のまま進んでしまったため、いまいちオブジェクト指向が分からなかったのだと思います。本書では、すっきり分かりやすくオブジェクト指向の概念を説明します。
プログラミング技術としてのオブジェクト指向
カプセル化、ポリモーフィズム、継承のオブジェクト指向プログラミング(OOP)の三大要素を理解します。プログラミング言語に依存しない理解をすることで、どんなオブジェクト指向言語を使うときにも役に立つはずです。
応用技術としてのオブジェクト指向
プログラミング技術からスタートしたオブジェクト指向ですが、現在ではUMLや開発プロセスと言ったところにまで発展してきています。オブジェクト指向というキーワードを本当に理解するためには、OOPだけではなく応用技術でどのようにオブジェクト指向が語られているかを理解する必要があります。
参考
- 言語はC++。だけどOOPを学ぶためには最高の一冊。
- オブジェクト指向開発の奥義、教えます。
- オブジェクト指向の神髄。すべてがここに詰まっています。現場向き