タイトル
オブジェクト開発の神髄〜UML 2.0を使ったアジャイルモデル駆動開発のすべて
著者
Scott W.Ambler (著), 越智 典子 (著), オージス総研 (著)
出版社
日経BP出版センター
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本書は、ソフトウェア開発における上流工程から設計までをカバーした本です。アジャイルにソフトウェア開発を行う方法について書かれています。要求をユースケースにまとめ、概念モデルを書き、ビジネスプロセスをモデル化して、設計を行う。一連のソフトウェア開発の流れに沿って、アジャイルに進めるにはどうしたらよいのか、どうUMLを活用したらよいのかについて説明されている本です。

筆者の経験則が随所にちりばめられており、経験の少ない人でも理解しやすくなっています。UMLを使ったモデリングの方法について書かれている本ですが、図の書き方については書かれていません。本書は使い方の本です。

非常に読みやすい内容で、納得できる部分も多いです。重要事項についてだけ書かれている、そんな感じのする書籍になっています。このボリュームで4,200円は安いと思います。

特長

UMLの書き方によらない本質

タイトルには『UML2.0を使ったアジャイルモデル駆動開発のすべて』とあり、よくあるUMLの書き方についての書籍かと思われるかもしれません。

確かに、UMLの記法は使われています。しかし、本書で使われているUMLは厳密なUMLとは少し違います。それは、本書がアジャイル開発を元に書かれているからです。使わないドキュメントに力を注ぐよりも、他にやるべきことがあるはずだというスタンスです。そのため、本書で扱われているすべてのことが、必要最低限の重要な事柄なのです。

『オブジェクト開発の神髄』とは、お客様の利益を生み出すための究極の開発方法論なのかも知れません。

参考

  • さらに設計よりにUMLを使う方法について書かれています。
  • 実装よりの本です。結合度、凝集度といったOOPのキーワードについて深く知りたい人におすすめです。
  • UMLを使ってモデルを書くときには「エッセンス」が大切です。