タイトル
オブジェクト指向とコンポーネントによるソフトウェア工学―UMLを使って
著者
ペルディタ スティーブンス (著), ロブ プーリー (著), Perdita Stevens (原著), Rob Pooley (原著), 児玉 公信 (翻訳)
出版社
ピアソンエデュケーション
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本書は、多少アカデミックな本ですが、上流工程の設計に焦点を当てたいい本だと思います。オブジェクト指向のなんたるかを、ソフトウェア工学の観点から納得できるようにとても平易な文章で書いています。さらっと書かれている中に、とても重要なポイントがあったりするので、マーカーでページがいっぱいになりました。

この手の書籍にしては薄く、内容がずっしり詰まった感じです。ポイントポイントを抑えているので、短時間で読めますが、確実に設計力はつくと思います。また、オブジェクト指向についての知識の整理や、気をつける点も理解できると思います。

本書は、ソフトウェア工学の観点から書かれているので、学生や研究者向きです。しかし、実践で役立つポイントも満載なので、実務で上流工程の設計をオブジェクト指向で行っている方にもおすすめできます。

特徴

本書は、良いシステムとは何かから始まり、オブジェクト指向が良いシステムにどうかかわっていくのか、開発プロセスがもたらすもの、UMLによるクラスも出るの設計方法について書かれています。

個人的な好みですが、監訳者が児玉 公信さんと言うところからして、クラスモデルの章の期待度がとても高まります。実装コード(ソースコード)は出てきませんが、実装のポイントなど、設計段階で考える点がちりばめられており、最初から最後まで飽きずに読み進められました。

オブジェクト指向とソフトウェア工学、上流工程におけるオブジェクトモデリングに興味がある人は、本書を読んでみると面白いと思います。お勧めです。

参考

  • ソフトウェア工学をもっと詳しく勉強したい方へ(アカデミック)
  • 実践向けのソフトウェア工学
  • あの達人プログラマーの別の切り口
  • より実装寄りのプログラマ向けの書籍(おすすめ)
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