この本は、RDB (リレーショナルデータベース) とは何か? を理解するためのものです。RDB を学ぶ上で理解しておきたい用語 (関係と型、タプルと関係、関係変数、リレーショナル代数、整合性制約など) を説明し、RDB の概念を解説しています。
実践派と理論派のどっちよりの本かというと、本書はかなり理論に片寄った本です。用語も正確に書いてあるためか、一度の読みで理解することが難しかったです。
RDB の基礎概念を、理論的にしっかりと身に着けたい人に本書はおすすめです。かなり正確に書かれているような印象を受けました。ただし、それなりに読みづらいですが・・・。なお、特定の DBMS に依存した内容には触れられていません。
感想
読んでいて一番に感じたのは、良い意味で硬い文章だなというものです。理論的な本なので、それなりに硬い文章だとは覚悟していましたが、それにしても硬いです。
その文、用語の説明や定義は正確だという印象を受けました。たぶん、書かれている内容自体はそんなに難しいものでもないし、変なことでもないと思います。ただ、読んで理解するには集中できる環境が必要だったというだけです。
本書を読んでいてふと、識別子と主キーって何が違うんだったっけ? と疑問がわいてきました。本書の中に答えがあったはずですが、僕は別の本を取り出して読み返しました。 『T字形ER データベース設計技法 (佐藤 正美:著)』
理論系の本を読むと別のいろんな本にリンクしますね。
とにかく、「硬い文章、正確な用語の定義、理論」 と、3拍子そろった読みにくそうな本ですが、リレーショナル理論 に関する正確な知識を得たい人にはおすすめの本です。内容的には悪くありませんでした。
参考
- T字形ER に関するデータベース設計理論
- データモデリングの技を鍛える
- 実践的データモデリング