優れた「説明力」は、問題の核心をついて、相手に納得できる答えを導き出させる武器になります。巷では多くの「How to本」といわれるような、どういう風に人と話したら分かってもらえるとか、こういう風に人に接すると幸せになれるといったことを説明する本がたくさん売っています。本書もその一つだと言ってしまっていいと思います。
巧みな説明、つまり相手に理解してもらえる説明をするにはどういう点に気をつけて話せばよいか、相手を納得させる資料はどういう風に作ればよいのかといった事を中心に本書は構成されています。
- あらゆる「問題」をすっきり解決する、この「説明力」!
- 「巧みな説明=いい仕事」の絶対法則!
- 複雑な問題を「簡潔に伝える」技術
- あなたの「説明力」を格段にアップさせる七つの鉄則
- "誰でもわかり、絶対誤解されない"七つの実践テクニック
- "信頼される自分"を作る最高の演出法
- この「説明力」で必ず人は動く!
- 「巧みな説明」ができる人の人生開拓法!
すぐに使える話術を手に入れることができます。普段、説明力がないなぁと感じている人や、人前でプレゼンをする機会が多い人におすすめです。
特徴
本書の特徴は、「説明の違いによる結果の差」が具体的に説明されているところです。具体的な例があり、言葉の言い回しの違いによって相手の解釈の違いが分かるようになっています。
後半は、プレゼンテーションや資料の書き方に関しての説明が多かったです。「説明力」に関しての核となることをベースに、説明における場面での原則や鉄則が解説されています。
説明力のエッセンスは3つあります。
- 相手にわかる表現を使う。
- 論理的に伝える (書いたり、話したりする)。
- 相手の理解のレベルに合わせる。
説明の目的は「離れた二つの点を一致させること」にあります。つまり、自分と相手のコミュニケーションのギャップを埋める点にその目的があります。ギャップを埋めるには2つの方法があって、一つは自分が相手に歩み寄る。もう一つは、相手を自分に引き寄せる。本書はどちらかと言えば、後者の「相手を自分に引き寄せる」ための技術を説明している本です。
自分を動かすのは簡単だが、他人を動かすのは非常に労力を必要とします。『7つの習慣―成功には原則があった!』 などの本では、他人を動かすための技術を学ぶより、自分が相手に歩み寄りなさいということが書いてあります。本書のような「How to本」を一蹴する言葉ですが、どちらにせよ技術は知っておいて損はないと思います。
かなり分かりやすい言葉で丁寧に書いてあるので、スムーズに読めます。文庫本ですから、通勤途中などにでも手軽に読めます。説明力が必要な場面と言うのは日常生活でも多々あり、よりよい説明へのきっかけに本書がなるように思います。
あなたは、「巧みな説明ができる人?できない人?」。知識の一つとしてどうぞ。
参考
- 説明には「質問」がついて回ります。質問力に関してはこちら
- 説明、質問ができたら、今度は提案してみるのはどうですか?