本書は、技術者必携の辞書の役割を十分果たしてくれるハンドブックです。「やりたいこと」から「実装方法」を導くためのサーブレット&JSPの開発者のための本となっています。
僕が本書をおすすめする理由は、良くある参考書と違って、クラスやメソッドの一覧が掲載されていないところです。本書の役割は、開発現場ですぐに使えるリファレンスだと思っています。開発現場に一冊あれば、サーブレット初心者の開発者から中級開発者まで広く利用できると思います。
見出し、目的、ポイント、説明、サンプルコード、関連項目、仕様書の対応部分の7パートで一つのトピックを扱っています。不要な説明は極力省き、すぐに使える点が非常に魅力的な一冊です。
特徴
約100近いトピックを取り扱っています。サーブレットの基礎、JSPの基礎、応用Tips、資料の4つの章からなっています。基礎の部分では、ほんとに基礎の部分から、実際のコーディングで詰まりそうな部分まで扱っています。応用Tipsの部分では、少し凝ったことを行う方法が載っています。
主な内容は以下のようになっています。
- リクエスト文字のエンコーディングをセットする
- 別のページへ転送する
- 別のページを挿入する
- 挿入もとのパス情報を参照する
- 一度書き込んだレスポンスデータを取り消す
- エラーページへジャンプする
- セッション内の情報を追加/削除する
- 初期化パラメータを取得する
- サーブレットの実行を一時停止する
- 一時ファイルの保存場所を取得する
- リソースファイルを読み込む
- サーブレットの実行後に別処理を挿入する
- HTTPを使ってユーザ認証する
- フォームを使ってユーザ認証する
- Beanを利用する
- HTMLの特殊コードをエンコードする
- 最終更新日を制御する
- 動的に生成したExcelファイル(CSV形式)をダウンロードさせる
- 動的に生成した画像(JPEG)をダウンロードさせる
- 動的に生成したZIPファイルをダウンロードさせる
- セキュリティ制御をかける
- 別のアプリケーションへBeanを転送する
- C言語で書かれた関数をサーブレットの中から呼ぶ
- クラスパスを調べる
- メールを送信する
- 添付ファイルをメールで送信する
- タグライブラリを作る
- 文字化けについて
本書は、かなり使えるサーブレット&JSPのリファレンスとなっています。すべてのトピックにサンプルコードがついているので、ソースコードを眺めて、どんなことができるのかを見るだけでも勉強になります。おすすめです。
参考
- さらにプチリファレンスが存在します。
- 樋口研究室からの保証つき
- JSP/サーブレットの解説書は、この本だけで十分です。