タイトル
図解 ビジネス理論30分速習ノート
著者
ラモーナビジネスカウンシル (著)
出版社
PHP研究所
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授業でビジネスを勉強したら、こんなノートをがまとめあがると言うような感じの本です。歴史的・経済的に重要な理論を確立した先人の知識をまとめています。ガルプレイス、ドラッカー、ポーター、コトラー、ジェームス・アレンなど、有名どころも軒を連ねています。

本書のいいところは、一ページから二ページの間で、その人の確立した理論について簡単ながら解説してあるところです。一つ一つの理論を詳しく説明しているわけではありませんが、ビジネスの現場・経営の現場でよく出てくるような言葉の意味を表面的にでも知るために使えます。

「知らないことは知れない」。本書には60もの理論がまとめられています。どの理論に興味があるかを、全体から知った上でチョイスできるので、ビジネスをかじりたい人、ビジネスを始めた人向けのノートになっています。

覚書き

  1. ケインズの「有効需要の原理」
  2. シュンペーターの「景気循環理論」
  3. フリードマンの「マネタリズム」
  4. ハイエクの「自生的秩序」
  5. サムエルソンの「経済学」
  6. ガルブレイスの「新しい産業国家」
  7. ドラッカーの「ポスト資本主義社会」
  8. ノイマンの「ゲーム理論」
  9. リカードの「比較優位の原則」
  10. コア・コンピタンス経営
  11. ジェームス・アレンの「原因と結果の法則」

ケインズの「有効需要の原理」

現在の産出量・経済の活動水準は、潜在的生産能力ではなく、需要によって規定される

本書

つまり、必要とされている分だけ生産するのが現在の経済ということである。必要とされている分、つまり「有効需要」は、「貨幣的な購買力を持って実際に需要者として市場に登場する」ものとしてカウントされる。

古典派経済の、「供給が過ぎても(超過供給)、価格を減らせば需要は均衡するさ」という考え方を否定して、「価格は変えずに数量を変化させることで、需要に均衡した供給が保たれる」という考え方を打ち出した。

キーワード
「有効需要」

シュンペーターの「景気循環理論」

景気循環の本質は、外的な要因による変化ではなく、机上課の核心による自立的変化による現象だ

本書

経済の発展と言うものは、生産要素のイノベーション(革新)が発端となり、それが均衡してきて新しい価値として定着すれば、大量の生産物が世に出ることになる。これの繰返しが、経済の発展である。とした。

経済の発展のなかで、企業も発展し、衰退し、革新が起こる。これが、資本主義経済の形であるという考え方である。 

キーワード
「景気循環理論」

フリードマンの「マネタリズム」

マネタリズムは、物価や名目所得の変動をもたらす最大の要因が貨幣量の変動であることをさらに強調する。

本書

世の中の市場の動きというのは、貨幣供給量(マネーサプライ)の動きに合わせられる。政府の介入がなければ、自然と完全雇用が達成されるという立場に立つものである。

キーワード
「貨幣供給量(マネーサプライ)」

参考

「ケインズ主義」

ハイエクの「自生的秩序」

社会の重要な制度は、計画的に設計されてできたものではなく、自然な人間行為の歴史によって、非人為的に形成されてできた。

本書

ハイエクは、市場の本質は、自然に形成されるもので、計画的に設計されるものではないとした。自由主義をもとにして考え出されたのが、「自生的秩序」という概念である。反対に理性的、計画的に組み立てるものを「設計主義」として、対立関係に立った。 

キーワード
「自由的秩序(スポンテニアス・オーダー)」

サムエルソンの「経済学」

経済学を科学として確立させた。

本書

『経済学』には経済学の基本的な、命題・分析方法などがまんべんなく盛り込まれている。

参考

サムエルソン 経済学(上)

サムエルソン 経済学(下)

キーワード
「経済学」

ガルブレイスの「新しい産業国家」

新しい産業国家においては、巨大企業が市場を操作し、価格を調整し、能動的に市場機能に関与する。

本書

お金を持つ人よりも、知識や才能、経験を持つ人、「テクノストラクチャー」が企業の意思決定を行う。新しい産業国家は、テクノストラクチャーによる産業の管理や計画化が行われていくとした。

参考

不確実性の時代(上)

不確実性の時代(下)

キーワード
「テクノストラクチャー」

ドラッカーの「ポスト資本主義社会」

「知識社会」では、経済が社会を規定しない。社会が経済を変えるのだ。高度に専門化された知識は、他の知識と連携したときにとてつもない力を発揮する。知識が中心となる社会は、組織の社会となるだろう。

参考

ネクスト・ソサイエティである知識社会は、「知識」が重要な資源となる。組織にとっても、一人ひとりの人間にとっても、高度に競争的な社会になる。

キーワード
「ネクスト・ソサイエティ『知識社会』」

ノイマンの「ゲーム理論」

複数の自由・自立意思が相互依存関係にあるとき、意思決定、行動、効用は変化する。

本書

囚人のジレンマに代表されるゲーム理論。自分の利得は、自分の戦略関数だけでなく、他人の戦略関数になる。これがゲームの本質であり、こういった性質を持つ現象はすべて「ゲーム理論」として表現できる。

キーワード
「ゲーム理論」

リカードの「比較優位の原則」

二カ国間の貿易において、各国が相対的に低費用で生産できる財の生産に特化し、貿易を通じて相手国から輸入すれば、両国とも貿易を行わずに自給自足をしたときよりも、多くの利益を得ることができる。

本書

一方の国が両部門で絶対的に優位であっても、両国が相対的に得意な分野に特化して貿易を行うほうが望ましい。

キーワード
「比較優位の原則」

コア・コンピタンス経営

優位な分野から中核となる技術を育てることで、経営戦略を立てる。

本書

独自のスキルや優位な技術を集中的に育てることで、新しい市場を開拓する経営戦略のこと。他社よりも優れている技術を持つことが生き残る手段であると考える。

キーワード
「コア・コンピタンス」

ジェームス・アレンの「原因と結果の法則」

強く思うことは実現する。すべては自分の内面にある。結果としての失敗も成功も、その原因は心の底にある思いに在る。原因こそがまず改善されなければならない。

本書

人生に偶然はない。なるべくしてそうなったのだ。運命を決定するのは、自分自身に他ならない。

キーワード
「強く思うことは実現する」

参考

  • 儲ける技術のきわみ。
  • ビジネス脳をつくるには。