CygwinはWindows上にUNIX環境を構築することを目的としたソフトウェアです。一昔前では、まだまだ実用で使えるレベルではなかったのですが、最近では非常に安定していて、とても使いやすいツールになっています。
本書は、CygwinをWindows上で使う場合に問題となりやすい「日本語化」を重点的に解説しています。独自のパッケージを付属のCD-ROMからインストールすることで、Cygwin上で日本語環境を簡単に構築・運用できるようになっています。
日本語環境を整える方法の他、XFree86を利用してCygwin上で X Window System を起動させる方法も解説しています。コマンドリファレンスも載っていて、本書一冊で非常に心強いです。
本書は、あくまでWindows上でCygwinを使う方法を解説しているので、UNIXの基本的な使い方等は別の参考書を利用する必要があります。本書の対象読者は、WindowsとUNIXを使い分ける必要があり、手軽に環境を整えたいという人だと思います。こういった解説本としては、なかなか読みやすく、良書のように思います。
特徴
本書は、Cygwinのインストール、日本語環境構築、サービスの利用、Xサーバとしての利用方法、セキュリティ、コマンドリファレンスといった内容について解説してあります。主に本書を重宝するのは、日本語関係の設定がうまくいかない場合だと思います。付属のCD-ROMに独自の日本語化パッケージを備えており、簡単に日本語環境を設定することができます。
本書の目次です。
- Cygwinの概要
- Cygwinの構造
- Cygwinの用途
- インストールの方法
- コマンドラインから使うCygwin
- 日本語環境の構築
- デーモンを利用する
- CygwinのGUI環境
- XFree86を使う
- CygwinをXサーバにする
- Cygwinの環境変数
- Cygwinのセキュリティ
- より進んだアプリケーションの利用方法
- Cygwinコマンドリファレンス
- トラブルシューティング
私は本書を、大学のWindowsマシンにUNIX環境を導入するときに本書を利用しました。Cygwinを使うと、Windowsで作業をしていて、少しUNIXで作業をしたい場合に非常に有効です。完全にWindowsとUNIXを分けて作業したい場合は、マシンを2台使うか、VMware等のVirtual環境を利用するのもいいとも思います。主にWindowsで作業するが、手軽にUNIX環境も使いたいというひとにCygwinをお勧めし、本書はそれを上手にサポートしてくれる良書です。
参考
- Cygwinのコマンドリファレンスです。
- 本気でわかりやすいみたいです。本書と一緒にいかがですか?