タイトル
RDBMS解剖学 よくわかるリレーショナルデータベースの仕組み
著者
鈴木 幸市 (著), 藤塚 勤也 (著)
出版社
翔泳社
Amazonで購入する

本書を読めばリレーショナルデータベース(RDBMS)がどのように動くのか、とてもよく理解できます。RDBMSがSQL文を解析して処理するまでの道のりや、トランザクション制御、ログ、リカバリと言った、RDBMSの裏側の動きがすっきりと整理できます。

「RDBMSの仕組みなんかデータベース管理者だけが知っていれば良い!」そんなことを言われるかもしれません。確かに、データベースの仕組みなんか知らなくても、プログラムは書けるし、設計もできます。しかし、データベースの仕組みを知っているのと知らないのではプログラムの質も設計の質も変わってくるのです。

なぜなら、RDBMSの仕組みを理解したプログラマは、最適なSQL文を書くことが出来るようになります。また、RDBMSの仕組みを理解したSEは、どのようにデータベースを作成し、物理テーブルを配置すればアクセス効率が良くなるかを知っているからです。

RDBMSの仕組みを理解して、最適な構成でデータベースを構築した場合、数十倍のパフォーマンスの差が出てくるといいます。これだけの差が出るとなると、RDBMSの仕組みに関する知識は不要とは言えません。

本書は、DB Magazineで連載されていた記事をまとめたものです。なので、図や表が随所に盛り込まれ、文章だけでは理解しにくい言葉も理解しやすくなっています。データベースを利用するすべての人に、本書をおすすめします。

特徴

本書で解説しているRDBMSの仕組みは、特定の製品に依存していません。どのRDBMS製品にも共通する機能や要件について説明しています。図や表を多用しているため、視覚的に理解できるのがポイントです。

データベースについての知識がほとんどない人でも分かるように配慮されています。動作原理や動きが図で説明されているため、言葉が分からない人でもイメージで理解できるようになっています。

内容的には難しい分野だと思います。データベースの仕組みなんて、専門家しか理解できないのではないかと思われるかも知れません。でも、本書は違います。とても簡単な言葉で説明していて、最後までつっかえることなく読むことが出来ます。

データベースが専門の人もそうでない人も、プログラマの人もSEの人も、管理職の人も営業の人も、皆に読んでいただきたい本です。面白いです、とっても。

参考

  • SQL文を体にしみこませる練習帳
  • データベース全体について知識がつく本
  • データモデリングが良く分かる